Club No.Nineへ、愛を込めて

高校の卒業式も出ないまま東京の美大進学を目指して東京の予備校に通い詰めて、そのまま一浪を経て美大へ無事進学。卒業後なぜか表参道にあるカップケーキ屋さんで働いた後、6年ぶりに1年間だけ家族の暮らす岡山に戻っておりました。岡山では大学病院で働きながら、週末は高校生の頃少しの間通っていた美術予備校で講師のバイトもしたり。岡山でヒップホップに触れる事なく上京してしまったので、どこで遊べばいいか分からない、、、大学からの友達、Iちゃんに会いに東京へ。ずっと行きたかったZAKAIに初めて行きました。その時お店の人に「岡山ならBLOCK BASTA行ったほうがいいよ!」と激推しされ、NORIKIYO氏の『実験的断片集』のジャケTを買って帰りました。岡山に帰り早速BLOCK BASTAへ。気さくな店長さんにZAKAIでの事を言うと笑われて「ありがとうね〜!」と。岡山でオススメのイベントのフライヤーをたんまりいただき、岡山でのヒップホップシーンのお話を頭に入りきらないほどに伺った。そして初めて岡山で観たのは、今もバンドマンである私の父の聖地、ペパーランドで降神。最前列でガン見。たまたま職場の上司がラッパーだったりでヒップホップを主とするクラブ、Club No.Nine に遊びに行くように。私が思う理想のクラブは正にここ。ナンパなんて持ってのほか。黒装束か!?と思うほどの黒率。各々キャップやらフードで顔が分からずゆらゆらと緩く横揺れ。純粋に聴こえてくる音楽に身を委ねている全体の雰囲気が大好き。見た目は汚いけど、綺麗なクラブ。どんなに仕事で疲れていてもライブを観に行きたくなる箱。前置きが長くなりました。その1年を経てまた東京に戻って1年半になります。久しぶりに岡山に帰らなければ、、、!と意を決したのは、そんなNineが無くなるから。『破壊と再生〜クラブナイン最後の夜』と題され9月29日(金)と9月30日(土)の2日間催されました。岡山のDJ、 MC陣に加え他県からのゲストも。個人的に、紅桜さんのライブを観ると岡山に帰ってきた感じがする。私のお気に入りスポット、グラフィティーで埋め尽くされて鏡も鏡の役割を果たしていないトイレ。これも見納めか、、、と見渡していると鍵が壊れていたのか、トイレの扉が開いちゃった気まずい感じも「まぁNineだからなぁー笑」と許しちゃう。Nineの周りにハタチくらいの子が溜まってたのも微笑ましい光景。「Nineを愛してくれてありがとう。」とNineを産み落とした母の様な気持ち。私でさえこんな気持ちなのに長年ここを拠点に活動されている方達は大丈夫なのか、、、?と心配になってしまう。ミラーボールの反射に酔ってしまいそうになるのはNineだけだし、むしろそこが愛しく思う。あのむさ苦しさを今後どこで味わえと言うの。大事な遊び場が1つなくなりました。写真はNineに行く前腹ごしらえに行くハンバーガー屋さんCoexist 。Nineから徒歩3分ほどの「ほろよいマンション」という味のある建物の2階。神戸牛100%パテで他のハンバーガーが食べれなくなります。岡山に帰っていた1年間、やたらと通っていてお店の方とも仲良くなり私の絵も気に入ってくれ、絵をプレゼントしてからずっと飾ってくれています。Coexistの店長さんやBLOCK BASTAの店長さん、今でも仲良くしてもらっていて本当に有り難いです。近況をあれこれ聞いて欲しくなるおふたり。自分にとって大事な場所が1つ無くなってしまったけど、今ある大事な場所でNineの話をこれからもしていきたい。最後に。ありがとうNine、これからもずっと愛してる。

ヒラタ リカコ

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